還暦を挟んだ夫婦と犬2匹が都心より移り住み、終の棲家として生活の全てが円滑に行なえるよう、可能な限り既成概念に囚われる事無く開放的で、且つ、安全な空間を創出する事を心掛けました。この家をガラス張りの見えすぎの家として捉えるか、日本の縁側が回った民家の延長としての近代和風と見るか・・・建築好きな方なら「ナルホド!」な住まいです。そしてなにより昼と夜、季節によって違いを見せる大景観を眺められる・・いえ身を置いての自然との一体生活は、プライスレスな終の棲家です。

眼前を流れる都幾川の清流や、秩父山系に連なる山々を背景に自然溢れる周囲環境の四季、移ろいをたっぷりと満喫できるようにしました。

建物外壁に開閉機能を全く有しない為、外にはねだした床部分に通風、換気機能をもたせた水平ルーバー状の開閉機構を創出し、温度差による重力換気によって屋根トップサイドに設けられた強制換気装置から排気する…換気システムを装備しています。

2階となる居住階では、全ての動線は回遊が出来るよう工夫され、いわゆるクルドサックが有りません。

各機能エリアは出入口の扉も、天井仕上げさえも無く、直視線制御の機能を除いて(シャワーブースとWCのみ、防湿と防臭、遮音の為に透明な素材の天井を張って有ります)。

音と空気のプライバシーを犠牲にする代わり、「一つ屋根の下」での一体の温熱環境と十二分な光と気配を享受出来ます。