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雑木林の隣に建つ、店舗兼住宅。
床面積約30坪のコンパクトな建物に、住居と設計事務所、妻が営む雑貨カフェを盛り込んだ。
広さはないものの、住まいには森の中にいるかのような開放感がある。
2階部分が、家族が過ごすLDK。
2面の大開口で雑木林の緑を取り込む、緑に包まれるような空間。
リビングは家庭菜園があるテラスとつながっており、そこで収穫した野菜を食べながら過ごすことも。
‟自給自足”のスローライフを楽しんでいる。
食べ物だけではなく、太陽光発電で電気エネルギーも自給している。
さらに、カフェを営むことで現金も、人との繋がりも自給する…そんな自給自足の家を目指した。
1階は玄関を入って左手に寝室、水回りといったプライベートスペースを、右手に設計事務所と雑貨カフェを配置。
事務所とカフェの間には中庭を設けた。
カフェは2面の窓で雑木林とつながり、さらに中庭からも光が入る、明るく清々しい空間となっている。
オープン以来、口コミでたくさんの人がカフェを訪れる。
中庭では、お茶を飲みにカフェに訪れた農家の人が育てる無農薬野菜を販売したりと、人との繋がりが広がっている。
緑に包まれ、食を、人との繋がりを自給する、豊かな住まいが完成した。
[有]住工房傳(でん) 千葉県 建築家
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車いすで住む、バリアフリー和風住宅
地の家は、脚の不自由なご主人の車椅子での生活を前提とした住宅です。世の中にはバリアフリー住宅が溢れています。しかし、機能ばかりを優先しすぎてデザインが置き去りになっている様な気がしています。バリアフリーという社会からの要求と和風住宅に住みたいというご主人の要望の2つを柱として設計を進めました。まずアプローチは、車椅子で出入りしやすいように緩やかなスロープとし、土間の材料はすべりにくいものにしました。また、門を2つ製作し、さらに門の奥に細長い庭を作り、道路からの距離を取る事で家に落ち着きをもたらしました。バリアフリーの玄関というと、すぐにスロープを用いがちですが、今回は、外出用車椅子と室内用車椅子に乗り換える為、あえてスロープにはせず、乗り換えや不要となった車椅子を置きやすいように、スペースを広めに設計をしています。水廻りは車椅子を使用するとかなりのスペースを要する為、寝室、脱衣場、トイレをワンルーム化して省スペース化すると同時に、冬の寒い時期でも部屋間での温度変化が少ない様になっています。居間は、オリジナルのオープンキッチンと床の高さを上げた畳スペースを設けました。畳スペースは、自分で車椅子から畳の上へ乗り移れるように、車椅子の高さに合わせて設計をしています。また、畳スペースの片隅には、パソコンコーナーを設け、自分で自由にパソコンを使用することが出来るようにしました。車椅子を壁にぶつけて傷をつける為、ナラ材のガードを取付ています。また、生活しながら必要となった部分に手摺を自由に追加出来るように、壁の下地には全て合板を貼っています。座敷は、仏間を中心に構成をしています。以前お住まいであった家の座敷部分の寸法を実測し、以前の家とまったく同じ寸法を使って新築しました。そこに以前使っていた障子や欄間をはめ込み、畳も表替えをして再利用をしています。床の間も床の形状は再デザインしましたが、一部の床板を再利用しています。建物本体を新築として、耐震性を向上させる一方で、中身は移築をすることで、以前の思い出と家の伝統を引き継ぐことを意識しました。また、積極的に材料を再利用することでローコスト化やゴミの削減にも繋がりました。
森村厚建築設計事務所 東京都 建築家