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投稿記事
高梁川の東側にあたるこのエリアは、豊かな水に恵まれ昔から水田が拡がり、焼杉に漆喰壁の農家住宅が点在していました。近年幹線道路が整備され、市中心部へのアクセスが便利になったことにより、急速に住宅が立ち並ぶようになりました。この敷地は南北に住宅が迫っていますが、西側の土手方向には大きく拡がりがあり、この拡がりを住宅に取り入れることを端緒に設計を進めました。黒の下屋部分には水廻りを集め、また白の2層部分には各居室を集め、中央の吹抜け空間を介して南北明快に分けています。延床約28坪程度とやや小さめの住宅ですが、中央に大きな吹抜け空間を作ったり、各部屋をあまり間仕切らずに開放的な作りとすることで、28坪とは思えない程の拡がりを感じれるようにしています。外観はこのエリアに昔から佇む焼杉に漆喰壁の住宅の外観を踏襲し、歴史の延長線上に位置するデザインとしています。
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360度を木々に囲まれた楽園のような住まい
住宅街の傾斜地に建つ、地下2階地上1階建ての家。 「土と緑に近い生活」という建て主の希望を叶えるため、約300坪の敷地のうち8割にあたる約240坪を庭とし、360度全てが木々に囲まれた住まいを提案。 住宅地にありながらその喧騒を感じさせない、森の中に置かれたような住まいとなった。 庭には落葉樹や果樹を植え、外周には視線を遮るために常緑樹を植樹して緑の壁をつくった。 緑豊かな広い庭の中を回遊していると、公園を散歩しているかのよう。 敷地の傾斜を利用し、エントランスは地下2階に配置。 エレベーターで1階まで上がり、庭の小道を通って1階玄関へと進む、ドラマティックな構成に。 1階LDKは南北にL字型に広がる大開口で庭とつながり格別な開放感を味わえる。 内部に広がるのは、ダイナミックな大空間。 中央を3m突き出した屋根が構造の役割を果たすので、天井が高く柱が無い開放的な空間を実現した。 床を掘り込んで造ったリビングのソファに座れば、目に入るのは庭の木々と空だけ。 広大な庭に包まれた、街の中のオアシスのような住まいが完成した。
株式会社 菅匡史建築研究所 兵庫県 建築家
露地のように巡る都市住宅
東京の郊外、住宅街に建つ住宅です。限りある敷地に対してセキュリティー面や、家に奥行きと趣を与えるためのアプローチが重要だと思っています。この住宅では中庭が露地となり、露地を通って玄関へと辿り着きます。僅かに曲がった構成は、そのまま屋内の内露地やダイニングキッチンへも引き継がれ、家の面積以上に距離感と立体感を創り出しています。 この家はまるで露地を巡るようにして家の中も巡る構成になっています。玄関を入ってすぐの階段付近の居場所や畳の間、小さな書斎などを巡って最終的にリビングまで辿り着きます。
南北の個性的な2棟を植樹が繋ぐ宿場町の住まい
江戸時代は山陽道の宿場町であった一角にある、4人家族の住まい。 敷地周辺にはかつての木造家屋が点在するなど、昔ながらの面影が残っており、また敷地背後には山がたち迫っている。 そのため、前面道路の南側は周辺のスケール感を持たせ、敷地の隣に空き地があることを考え、圧迫感を街並みに持たせない、建物のヴォリューム感がテーマとなった。 拡張の可能性がある前面道路には鉄骨造である2層の棟。その奥に3層と4層の鉄筋コンクリート造の棟と配すという、分棟構成とした。 2棟それぞれの外気や通風の確保のため、全ての諸室が外気に対して有効に接し、それぞれの棟が向き合う構成に。各棟には微妙な平面と断面にズレを設け、より明るさと開放感を確保している。 主たる生活空間は2階に配した。2層棟にリビング、3層棟にダイニングを配し、トンネル状の階段室で繋ぐことで動線を確保。 またそれぞれの床レベルを微妙にずらすことで、1階から3階までの大きな視覚を内包させた。 前面道路に面するリビングには、エキスパンドメタルのファザードを設けることで視線をコントロールし、やわらかな光が木漏れ日のように採り入れるように工夫がなされた。また、2棟の間には3種の植樹を設けた。 この側面ファザードによって大きな一枚板になりがちな建物を異なる素材によって解消し、より柔軟な雰囲気をかもし出すこの住まいは、宿場町の環境に新しい趣のある表情を見せて佇むものとなった。
吉田豊建築設計事務所 広島県 建築家
人も犬も自然と共にのびやかに暮らす高原の家
作家である建て主と、愛犬のための住まい。 愛犬のワルテルはスイス原産の「バーニーズマウンテンドッグ」という大型犬。 建て主は北海道出身で、愛犬と同じく暑さには弱い。 夏でも涼しく自然豊かな軽井沢の地に、愛犬と共に暮らすための家を建てた。 緑に囲まれた敷地の北側に寄せて建物を配置。 南側はサンルームとテラスを介して芝生の庭とつながり、北側には森が広がる。 「普遍的な美しさのある家にしたい」という建て主の希望通り、緑や光、空や風、自然に寄り添いながら暮らせる住まいとなった。 おおらかな自然に囲まれた暮らしは、人は人らしく、犬は犬らしく、自身を開放してくれる。 身も心も澄み切るような、心地良い高原の家が完成した。
株式会社安井秀夫アトリエ 東京都 建築家
「外の間」と「中の間」が織りなす美空間
なだらかな傾斜が続く、丘の上に建つ家。 周囲には視界を妨げるものが何もない開けた場所で、草原の中に溶け込むように佇んでいる。 定年を迎えた建て主が、園芸を楽しみながら穏やかな暮らしを送るための”終の棲家”。 道路からの視線を遮りプライバシ―を確保しながらも、周囲の自然に対して開けたプランとなっている。 建物はコンパクトな正方形。 その四隅に、外の景色を接する「外の間」を作った。 外壁の四方を押し込むようにして造った四つの「外の間」は、東の一角はリビング、北は和室、南はバスルームに面するテラス、そして西は玄関となっており、それぞれの場所から異なる風景を望むことができる。 四方に配した「外の間」の内側には、外の間と反転するような形で「中の間」が出来上がった。 家の中心である「中の間」は真っ白な壁で囲まれ、トップライトから光が差し込む空間。 「外の間」に守られるように存在するプライベートスペースとなっており、キッチンや寝室、水回りといった生活スペースは中の間に納めた。 「外の間」と「中の間」ふたつの空間によって、”非日常”を演出しつつ”日常”を守っている。 家中どこをとっても美しい住まいが完成した。
緑の庭で人との繋がりを感じる賃貸併用住宅
経営する賃貸アパートの1階に、オーナーとして住んでいた建て主。 築40年を超えて建物が老朽化したのを機に、建て替えることとなった。 建て主ご夫婦が望んだのは、庭を眺めながら暮すこと。 そこで以前はコンクリ―トの駐車場だった部分に土を入れ、雑木林をつくった。 2階の貸部屋は2戸に減らし、緑豊かな庭とアプローチは入居者と共有する。 オーナーである建て主ご夫婦の1階の居住空間は、シンプルでオープンな空間。 東西に奥行のある建物の東側には銅版画家であるご主人のアトリエを、西側には寝室を、その真ん中にはダイニングを配置。 それぞれのスペースは間仕切りで半分仕切られているが、庭に面する南側部分は東から西までひと続きになったオープンな空間。 大らかに外とつながり、広がりを感じられる。 緑に包まれた林のような庭は、ご夫婦だけではなく来客や入居者、また入居者の友人など様々な人が集い行き交う場所。 庭を介して人と繋がる賃貸併用住宅で、緑を眺めながら心穏やかな時間を送っている。